なぜ無くならない?おとり広告のおさらい。

おとり広告

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【不動産賃貸の「おとり広告」対策を強化の動き】

2017年1月から首都圏不動産公正取引協議会とSUUMOやHOME’S at home、CHINTAI、まいなび賃貸、などの不動産ポータルサイト5社がおとり広告に関する取り締まりを強化する施策がスタートし、同年4月にはyahoo不動産も加わり、おとり広告を撲滅する施策は全国に広がっています。インターネット情報時代に求められるのは情報の正確性。偽の情報が氾濫してしまうと借りる側の負担はもちろん、不動産の賃貸仲介事業者も信頼を失いかねません。取り締まりの強化は不動産業の信頼度を高めていくために重要な対策と言えます。

【おとり広告ってなに】

そもそもおとり広告とはどういったものを指すのか、もう一度おさらいしてみましょう。

1. 物件そのものが存在せず、実際には取引することができない物件。
事例)相場より安い賃料のお部屋が出てあっという間に契約に至ったお部屋の間取りや築年数などの情報を少し変えて似たようなお部屋がまだ存在するかのようにしたもの。
2. 物件は存在しているが、実際には取引の対象となり得ない物件
事例)すでに契約が終わり、借りることができないにも関わらず、インターネット広告に何度も掲載してあたかもそのお部屋があるように見せている。
3. 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件
事例)大家さんが貸し止め(お部屋を貸すことをやめている)しているにも関わらず、借りられるように表示する。問い合わせても理由をつけて見せることを拒否する物件

これらが事実として認識しているにも関わらず、自社ホームページや不動産検索サイトなどのインターネット広告に掲載し、部屋を借りたい人の気持ちを煽ったり、実際に問い合わせさせることを「おとり広告」と言います。

【「おとり広告」にまどわされないようにするには?】

〇いくつか気になる物件を問い合わせてもいつも「決まってしまいました。」と言われる。 他にもご紹介できるかも。と期待を持たせて来店するように案内を受ける。
〇格安賃料のお部屋を発見。うれしくなって問い合わせるも「実はわけありのお部屋で…」と内見すらさせてくれない。すぐさま他の物件を熱心に紹介してくる。
〇以前問い合わせしたら契約済と言っていたにも関わらず、また広告掲載されている。もしかしてキャンセルになった?と期待を持たせる。

これらはすべて「おとり広告」の可能性が高いです。相場賃料よりも格安すぎる。すぐに直接お部屋を見たいという希望を断れた時などはちょっと警戒してもいいかもしれません。よほどの事情がない限り、相場賃料からかけ離れたお部屋はほぼ存在しませんし、また、来店するよりも現地で待ち合わせしたほうが、お部屋を借りる側も不動産会社の営業担当も手間が省けて助かるのにそれを避けるのは不自然です。
すぐに内見を希望していない場合や、図面や情報を見比べたいときにはメールやFAXの利用が便利な世の中。図面または詳しい情報をメールやFAXで送ってほしい。といった希望に、「対応していない。」内見希望と同様に「来店したらお見せします。」も要注意です。

【あせりは禁】

いいお部屋だからすぐになくなってしまうかも。焦ってと問い合わせし、悪質な集客と気が付かぬまま、妥協でお部屋を決めた場合、賃料や間取りだけでなく、例えば駅徒歩10分には間違いないがほぼ坂道。街灯が少なすぎて夜道が怖い。最寄りにスーパーがない。など細かな点を見落としてしまいがちです。「人気ですよ」「静かですよ」と確かめようのないことを押してきて契約を焦らせる場合も要注意です。

営業トークに流されるまま、本来の希望とはかけ離れたお部屋を借りることになってしまった。など、新しい生活のスタートが嫌な思いで始まることのない様に、最初の問い合わせの際に少しでも参考になればと思います。