UR賃貸の入居条件、生活保護でも申込できる?

空のサイフ

UR賃貸の入居条件生活保護でも申込できる?

2016年、過去最高となった生活保護受給世帯数。
UR賃貸の入居条件に生活保護の方に対応している制度はあるのでしょうか?
結論からいうと、生活保護を受けている方でもUR賃貸に入居することは可能です。
ただ、それには所得の特例が適用されることが条件です。
なお、生活保護を受給している入居者については、家賃改定に伴う家賃の上昇を抑える特別措置もとられています。

●生活保護とは?

「病気で働くことができない」「母子家庭になってしまい収入がない」「貯蓄もない」など、人生においてはお金がなくて生活に困るシチュエーションに陥ってしまうことがあります。
こんな時に、最低限の生活を自治体が保証するのが生活保護制度です。
支給される保護費は世帯や地域の状況によって違ってきます。

ただ、生活保護はちょっとお金に困ったからといって簡単に受給できるものではありません。
生活保護を受けるには、個人ではなく世帯全体で生活保護を受給する状態なのかが問われます。
ですから世帯全体であらゆる努力をしても「生活保護基準額」に満たない部分を生活保護費として支給されることになるのです。

生活保護を受けるために必要とされるのは以下のことです。
・資産の活用
利用できる資産は売却するなどして生活費にあてる
・能力の活用
世帯の中で働ける人は、能力に応じて働く
・扶養義務者からの扶養の活用
両親・親戚・成人している子供からできる限りの援助を受ける
生活保護を申請すると、3親等以内の親類に「扶養照会」がされます。
もし親類の中に援助可能な人がいたら、生活保護を受給することはできません。
・他の制度の活用
雇用保険、児童扶養手当など、他の制度による給付を受けられる場合は、優先する

こういった努力をしてもなお、生活に困窮する場合に生活保護費が支給されるのです。
生活保護は生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療補助など、生活を営む上で必要な費用に応じて支給されます。

●UR賃貸には入居できるの?

通常、UR賃貸では一定の基準月収額を満たさないと入居資格があるとは認められません。
ですが、UR賃貸は礼金・契約料・更新料・保証人が必要なく、環境もいい物件が多いので、生活保護世帯にとっても魅力的でもあります。
ただ、基準月収額が家賃の4倍または33万円ですので、生活保護受給世帯がこれを満たせるとは考えにくいでしょう。

UR賃貸では特例として、高齢者や障がい者、配偶者がいない世帯や満18歳以上の学生であれば、 収入が基準月収額の半分に満たない場合でも申し込むことができるとしています。
生活保護世帯がこの特例に該当すれば申し込むことができます。
その際には、扶養等親族の平均収入額が基準月収額以上ある、または貯蓄額が基準貯蓄額(家賃の100倍)以上あることが求められます。
扶養等親族がUR賃貸住宅に住んでいる場合はさらに条件が加わります。
また、扶養親族が申し込み本人と連携して家賃を支払う責任を負うことを確約し、契約の際には覚書も取り交わすことが求められます。

●UR賃貸の特別措置

UR賃貸では、生活保護世帯のために特別措置を講じています。

・家賃改定特別措置
URの家賃が改定される際に、生活保護を受けている世帯は家賃上昇を抑える特別措置が取られています。
具体的には、改定後の支払い家賃を住宅扶助限度額まで減額します。
ただし、改定前の支払い家賃を下限としています。
該当する場合は申請手続きが必要です。

・全面建て替え事業に係る家賃減額措置
UR賃貸では全面建て替え事業に関して、生活保護世帯には家賃減額措置がとられます。
取り壊すことになる建物に住んでいる方には、すまいの安定を確保するため家賃の減額をします。
これにより建て替え後、もとの住宅に入居する場合や他のUR賃貸住宅に移転する場合には、家賃の上昇をある程度抑えることができます。
生活保護世帯が受ける特別減額は、退去するまでの間適用されます。
具体的には床面積の50㎡までの部分については、本来の家賃から公営住宅に準じた額まで減額します。
本来の家賃の半分を下限としています。

生活保護受給世帯がUR賃貸の所得の特例を適用されるかについては確認することが数多くあります。
まずは、生活保護を受けている自治体やUR営業センターに相談してみましょう。

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